土地の価格を知るための2つの方法―公示価格と路線価の調べ方

あなたの所有する土地には、いったいどれくらいの価値があるのでしょうのか。

それを知るひとつの手掛かりとなるのが、公的機関により実施されている土地評価です。一般的に「地価」と言われますが、この公的な価格情報を上手く活用することによって、あなたの資産の潜在的な価格を推測することができるのです。

よく、地価が何%上がった、下がった、ということがニュースにもなったりしますが、いわゆる不動産のプロも、地価の動向は常にチェックしています。

ここでは、土地価格の参考として誰でも利用できる公示価格と路線価を紹介し、あわせてその詳しい調べ方をご説明したいと思います。

公示価格(基準地価格)

日本では、毎年、国土交通省や都道府県が主管となって、全国の土地価格の大規模な調査を行っています。そして、その情報は個々の不動産取引の参考とされるべく、一般に無償で公開されています。

これを、公示価格といいます。公示価格は下記のサイトで調べることができます。

国土交通省地価公示・都道府県地価調査

では、実際の調べ方を見てみましょう。

まず、最初の画面で日本地図が出てきますので、あなたの不動産が所在する都道府県を選んでクリックします。

次に、選択した都道府県の中からあなたの不動産が所在する市区町村を選びます。

最後に、調べたい価格の条件を指定します。

ここは基本的にはデフォルトのままで結構です。この場合、以下のような設定になっていると思います。

  • 「対象」は「地価公示・都道府県地価調査の両方」
  • 「調査年」は「最新調査年のみ」

そして、「検索」ボタンをクリックします。すると、公示価格の一覧が出てきます。

いずれの項目にも、住所のとなりに「地図で確認する」というリンクがありますので、どの項目でもいいので、これをクリックしてみましょう。

そうすると、地図が出てきますので、ここであなたの不動産に近いポイントの公示価格を探しましょう。ピンクや黄色の丸印が公示ポイントで、クリックすると詳細が見られます。

なお、ここで表示されている公示価格は、土地1㎡あたりの価格です。ですので、あなたの土地の価格を計算するためには、

公示価格 × 土地面積 (㎡)

という計算をする必要があります。

あなたの不動産の近くに公示価格のポイントがあれば、その価格があなたの土地の価格の参考になります。公示価格は公的に認められた土地の価格ですから、これは説得力のある金額根拠となるのです。

ただし、土地価格というものは、位置がすこし変わるだけで金額も異なってしまうものです。例えば、数10mしか離れていない場所であっても、それが表通りに面しているのか、奥まった裏通りにだけ面しているのかで価格が大きく違ってしまったりします。

そのため、よほど近くに公示ポイントがある場合でなければ、実は次にご説明する相続税路線価を利用した価格調査の方が、実際には正確で使いやすいことが多いです。

公示価格について細かいことを言うと、国土交通省が公表しているのは公示価格といい、毎年1月1日時点の価格を示しています。一方で、都道府県が公表しているのは基準地価格といい、毎年7月1日時点の価格を示しています。

管轄する役所が違うために、価格の算出対象となる地点も公示価格と基準地価格とで一致していなかったりします。ですが、価格の算出方法は同じようなもので、どちらも公的な参考価格であることに変わりはありません。利用者からみた差異はほとんど無いので、同じような公的価格が半年に1回公表されているものと捉えて頂いて結構です。

路線価

公示価格では、ある特定の地点についての参考価格が算出されていました。

しかし、価格が算出されているポイントというのは限られており、あなたの所有する不動産の近くに公示価格のポイントが無いかもしれません。

そんなときは、別の公的な参考価格である相続税路線価を使うのが良いでしょう。

相続税路線価というのは、どの道路に面しているかで算出される土地価格の参考情報です。道路ごとに、この道路に面している土地はいくら、といった形で価格が算定されています。

元々は、その名の通り相続税を計算するための価格情報なのですが、その価格は公示価格を基礎としており、また都市部であればほとんどの道路について価格が割り振られていますので、非常に使いやすい情報となっています。

特に、公示ポイントが近くにない場合でも、相続税路線価であれば目の前の道路の価格が出ていることが多いので分かりやすいです。

なお、相続税路線価は、公示価格の80%となるように金額が定められています。これは、税金負担を少し軽くするための趣旨なんですね。このため、あなたの土地の相場価格を計算する場合には、この相続税路線価から得られた価格を80%で割り戻さなければなりません。

ちょっとややこしいですね。では、具体的に、相続税相続税の調べ方から具体的な価格の計算方法までを順番に見ていきましょう。

相続税路線価は、下記のサイトで無料で調べることができます。

財産評価基準書 路線価図・評価倍率表

まずは、地図から都道府県を選択しましょう。

すると、ご覧になりたい項目のクリックを促されますので、「路線価図」をクリックします。

市区町村を選ぶ画面になりますので、ご希望の市区町村を選択します。

すると、地名から路線価図を選択する画面になります。番号がいろいろと並んでいますが、これは単に地図番号です。ご希望の地名の横の番号を適当にクリックします。

そうすると、下記のようなPDFの地図がでてきます。これが「路線価図」で、ここの道路部分に記載されている数字が「相続税路線価」です。

それでは、例えば、下記の赤丸のところを例にとってみましょう。

これは、この道路の矢印の範囲に面している土地の路線価が、「450C」であることを示しています。

数字の部分の「450」が金額で、単位は「千円」です。公示価格と同じく、こちらも1㎡あたりの金額を示しています。

ちなみに、数字の後ろにアルファベットの「C」が記載されていますが、これはひとまず無視して頂いて構いません。

この道路に面する土地の路線価は、以下の式にあてはめることにより算出できます。

路線価 (×1,000円) × 土地面積 (㎡)

つまり、たとえば100㎡の土地だったとしたら、

450,000円 × 100㎡ = 45,000,000円

ただし、路線価の価格水準は土地の本来の価格の80%になるように設定されています。そのため、あなたの土地の参考価格を計算するためには、

路線価 (×1,000円) × 土地面積 (㎡) ÷ 80%

という計算をする必要があります。

上記の例だと、最終的に、

450,000円 × 100㎡ ÷ 80% = 56,250,000円

ということになります。

こうして路線価から得られた参考価格は、公示価格と同程度に説得力のある金額根拠となります。さらに、路線価は非常に多くの地域で設定されていることから、公示価格よりも便利で使いやすい情報であると言えます。

ぜひ、この路線価を基にした参考価格を活用してみてください。

路線価の後ろにあるアルファベットですが、これは路線価図にも凡例が記載されていますが、借地権の場合の価格割合を示しています。要するに、土地があなたの所有物ではなく借り物であった場合に、その借りている権利にどれだけの価値があるかということです。

先ほどの例では「C」とありましたから、凡例によれば借地権の価格割合が70%となります。つまり、借りているだけなのに、土地の価格の70%分の価値を借地人が享受しているということです。逆にいえば、土地の本来の所有者に帰属する価値は土地の価格のたったの30%……。

実は日本では、土地の借地人の権利というのは非常に強力で、一度土地を貸したらよほどのことがない限り、所有者は土地を返してもらえない制度になっています。一見すると奇妙に感じるかもしれませんが、そうした地主さんと賃借人の力関係がこのパーセンテージに現れているのですね。